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カテゴリ:レポート , 宮川彬良&アンサンブル・ベガ
9月11日(日)宝塚ベガ・ホール
「宮川彬良とアンサンブル・ベガ」定期演奏会vol.17
"アキラさん50歳記念!特別公演!"
へご来場の皆様、ありがとうございました!
時間の経過と逆ですが、最後のカーテンコールから・・・。
「ご来場ありがとうございました!」
今回の定期演奏会は『時には時を想う時もある』と題して、「時」をテーマに構成されました。
演奏した曲は、15世紀末~16世紀ルネサンスの作曲家ジョスカン・デ・プレから今日を生きる作曲家、宮川彬良まで!
孔子の言葉「五十にして天命を知る」から編んだ「アキらくご」では、アキラさんが"飛馬仁亭彬良(ひぅまにてぃ あきら)に早変わり、「その五十年てなぁ、いかなる長さなりや!」と、日本史上激動の50年を引き合いに出し、時の流れを感じていただく、という趣向でした。
その落語の締めくくりで演奏されたのは
♪大きな古時計(ゲネプロの様子から)
コンサートの後半は、全曲が彬良さんのオリジナル作品でした。
まずは、新潟りゅーとぴあで制作されたミュージカルから3曲を、宝塚市立御殿山中学校コーラス部の皆さんとアンサンブル・ベガの共演で。
(ゲネプロの様子から)
1曲目の「明日の朝、神様がいらっしゃるよ」は、NHK「ラジオ深夜便の曲」としてラジオでお聞きになった方も多かったのではないでしょうか。
続く「飛び散る火の粉は花吹雪」、「幸せはすべての人に」は、それぞれ別のミュージカルの劇中歌です。しかし、アキラさんのMCにもあったように「命」を一環したテーマに作られてきた作品とあり、3曲の合唱組曲のように聴こえてきます。
コーラス部の皆さんは、夏の間の猛練習が、アキラさんの魔法の粉をかけるような指導で三段跳びぐらいの飛躍を示して、本番では本当に心に伝わる歌声を披露してくれました。
彬良さんの舞台音楽、その中の歌の作品をお聴き頂いた後は、アンサンブル・ベガのために新たに編曲したバレエ音楽「堕天使の恋」から「プロローグ~ラディゲの死」「リセの雪」の2曲。
そこにダンサーが舞う姿が見えるようでした。
この新曲の練習の様子はこちらに。
上のミュージカルの劇中歌と併せて、アキラさんの作曲活動の原点でもある「舞台音楽」での仕事ぶりを感じて頂けましたでしょうか。
コンサートの締めくくりは、「随想曲」を1番、2番と続けて。
文学では確固とした地位を築く「随想」というジャンルですが、音楽の世界では恐らく、世界にまだこの2曲しかありません。
発案は脚本・構成の響 敏也です。
アキラさんの50歳と「時」をテーマに、計らずも(この日を定期演奏会の日程と決めたのは、昨年から今年になった頃のことでした)9月11日に行われた今回の定期演奏会は、出演者一同にとっても格別の感慨があったようです。
終演後の舞台袖では、メンバーからアキラさんへ、拍手と「おめでとう!」が飛び交い、御殿山中学校コーラス部の皆さんとの記念撮影の後は、安堵感と感激で目を真っ赤にした女子中学生に囲まれるアキラさんの姿がありました。
今後も、どうぞ宮川彬良&アンサンブル・ベガへの温かいご声援をよろしくお願い申し上げます。
■当日の演奏曲目■※当初発表の曲目から一部変更がありました。
[第1部]
[いつもの時」
♪すみれの花咲く部屋・・・F.デーレ・宮川彬良
[音楽の時・暮らしの時]
♪楽興の時・・・シューベルト
♪サマータイム・・・ガーシュウィン
[普通の街の普通の人々の時]
♪エリナー・リグビー・・・ビートルズ
♪ペニー・レイン・・・ビートルズ
宮川彬良生誕50年記念!
[時を考える時]~アンベガ名物『音符の国ツアー』
♪Fantasia・・・ジョスカン・デ・プレ
♪メヌエット・・・バッハ
♪交響曲第5番『運命』第一楽章より・・・ベートーヴェン
♪交響曲第101番『時計』第2楽章より・・・ハイドン
♪大きな古時計・・・ワーク
[第2部]
[ミュージカルが歩んだ時]
♪ミュージカル『シャンポーの森で眠る』から
「明日の朝、神様がいらっしゃるよ」
♪ミュージカル『大いなる遺産』から「飛び散る火の粉は花吹雪」
♪ミュージカル『家なき子』から「幸せは全ての人に」
・・・詞:岡本おさみ 曲:宮川彬良
[舞い、そして想いを馳せる時]
♪組曲ジャン・コクトー<堕天使の恋>より・・・ 宮川彬良
・プロローグ~ラディゲの死
・リセの雪
♪随想曲 第一番 ・・・ 宮川彬良
♪随想曲 第二番 ・・・ 宮川彬良
☆アンコール☆
♪ゆうがたクインテット テーマ・・・宮川彬良
♪サヨナラの星・・・ヒビキ・トシヤ/宮川彬良
♪P.S. I Love You・・・レノン/マッカートニー
(制作秘話?)
8年間続いた「クインテット」をはじめ、アキラさんが30-40台にかけて手がけたプロジェクトが完結を迎えた昨年、今年。ちょうどアキラさんも50歳の節目を迎えました。
1998年結成(準備は96,7年から)、アキラさん30台後半から続く「宮川彬良&アンサンブル・ベガ」として、この年の定期演奏会はどうあるべきか。
前回の定期を終えた頃から、モヤモヤとそんなことが頭をよぎりながら、あっという間に時は過ぎ、春が来て、震災が起こりました。
アキラさん節目の年は、これまでの作曲活動の足跡を、何か一つ凝縮した形でお届けできたらというボンヤリしたイメージは、ミーティングを重ねるうちに、響敏也さんの構成として形となりました。
今回の定期演奏会で、アンサンブル・ベガとしての本番(全国各地での公演、クローズド公演も含む)は、98年の結成以来、113回目となりました。
(実は、先日の夏のツアーの際に「そろそろ通算100回なのでは」と数えてみたら、既に過ぎていました・・・。)
一つの公演の制作は、常に「次は何をしようか」を頭のどこかにおき、あちらを掘り下げ岩にあたっては、またこちらを掘り下げ。ふと冷静になってイロイロな意味での「原点」を思い出しハッと気付いて、一筋の光明を見出してはまた迷路に迷い込みの繰り返しです。
しかし、崖っぷちのほうが、必ずパワーに溢れたものが生まれるようです。
今回、新機軸を見出したと思われるアンサンブル・ベガのコンサート、次はどこへゆくのでしょうか。
どうぞ皆様、温かく見守ってください!
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