「上杉春雄ピアノリサイタル”平均律+”vol.1」(11/1 兵庫県立芸術文化センター)
チラシが完成しました。
オフィスに届いたチラシの現物からは、光や音がポーンと飛び出してきそうです。
このデザインの背景は・・・。
このチラシのデザイナー、柿木原政広さんに伺ってみました!
“鍵盤をあそぶ”
自分がデザインする上で最も大切にしている事はコミュニケーションです。
上杉さんとは8年前から毎年のようにデザインで関わり、色々な話をしてきました。医者としての彼には直接会ったことがないので、話題はデザイン・音楽・建築、はたまた雑学一般などに限られます。それでも話題は十分多岐にわたっているのですが。
そのなかで自分が抱いた上杉さんの印は「遊び心を備えた知の人」でした。
そう思ったエピソードをちょっと紹介します、上杉さんが家を建てる事を考えている時、しくみや建材などかなりマニアックな情報を集めて来てどんどん勉強したそうです。その中で例えばコンクリートはこうあるべきだと思ってからは職人たちを巻き込み、ふつうの住宅の基礎としては少々やりすぎなコンクリートを、プロが呆れるレベルで!にこにこしながら完成させたそうです。
どうやら上杉さんは「分析と解釈」という遊びをコンクリートの中に見出したみたいです。(*1)
音楽についても同様の遊びを見出しているようです。楽譜を通じてバッハが何を考え、どのように音楽を解釈していたかをなぞるように演奏する。まるでバッハと上杉さん自身を重ね合わせているかのように鍵盤の上で遊んでいるようです。(かなり個人的な解釈なので本人は納得されないかもしれませんが…)
今回のビジュアルのコンセプトは鍵盤の上の色遊びです。音色のように色のハーモニーをイメージしています、バッハと上杉さんが時空を超えて遊んでいるかのように。
グラフィックデザイナー 柿木原政広
http://www.10inc.jp/
*1上杉の自宅の防音室建築の際のエピソードは、月刊「ぶらあぼ」での連載「ピアニストが、医者をやりながら音楽について考えた」2013年10月~2014年1月号に詳しい。
「eぶらあぼ」で読むことが出来る。