京都に育ち、高校卒業後フランスへ。パリ、リヨンで8年間の研鑽の後、2011年帰国。現代作品を中心とする独創的な選曲のソロ公演には、初めて耳にする作品にも何某かの共感や発見をもたらしてくれる期待と信頼に聴き手が集うピアニスト、法貴彩子。
プロフィール
一方で「大阪クラシック」などの音楽祭、器楽奏者、声楽家のリサイタルや室内楽、CD録音の共演者としても信頼が厚い。
その彼女が日本に拠点を置き10年の節目となる2021年、新たに開始するプロジェクトが「ピアノ・ジャンクション」である。
第一回の副題は「…音と詩は巴里(パリ)の大氣に漂う」。
フランスの、特にピアノ音楽がお好きな方には一読してピンと来られるであろう、ドビュッシーの「前奏曲集 第一巻 第4曲」の標題「音と薫りは夕べの大気にただよう」からヒントを得たもの。
留学の経歴から”フランスもの”のイメージが先行するが、自主企画のソロ公演でその”フランスもの”ばかりを取り上げるのは、意外にも今回が初めてという。
(「追憶」と題した前半、バルトークとストラヴィンスキーをドビュッシー作品にサンドイッチしたこの選曲背景については、おいおいTwitterなどで発信される予定)法貴彩子Twitter
後半は「幽玄」と題して、音源も貴重なドゥコー(Decaux, Abel)の『月の光』、そしてラヴェル『夜のガスパール』をメインに配したプログラム。どうぞご期待ください。
新たなプロジェクト 「ピアノ・ジャンクション」Piano Junction
“ジャンクション Junction”とは、接点、分岐点、接合、川の落合…
様々な角度から作曲家や作品、多彩な共演者、そして聴いてくださる方々を結びつける”Junction”に私自身がなれれば、そして新たな発見を共有し合えればと思い、プロジェクトを始動した。
初回は、現代音楽の芽吹きとなった一人であるドビュッシーをキーパーソンに、彼と同時代に生きた作曲家がこのプログラム中で行き交う。
見えてくるのは、新たな表現の模索と、20世紀初頭頃までに極められた華麗なピアノ演奏技術ーヴィルトゥオーゾの終焉である。
2021年は、私が8年間のフランス生活から帰国しちょうど10年となる。
従来のピアノリサイタルの枠を超えた新たな試みの幕開けをお楽しみ下さい。
(法貴彩子)
公演日
2021年6月6日(日)14:00開演(13:30開場)
会場
曲目
追憶
●ドビュッシー 前奏曲集 第1巻より 「アナカプリの丘」
●ドビュッシー 12の練習曲より 「4度のための」
●ドビュッシー 『映像』第2集より 「金色の魚」
●バルトーク ハンガリー農民歌にもとづく即興曲 作品20 Sz 74
●ドビュッシー 前奏曲集 第1巻より 「雪の上の足跡」
●ドビュッシー 前奏曲集 第2巻より 「霧」
●ストラヴィンスキー 「管楽器のためのシンフォニーズ」(A. ルリエによるピアノソロ版)
●ドビュッシー 前奏曲集 第1巻より 「沈める寺」幽玄
●ドゥコー 「月の光」
・真夜中過ぎ ・小路 ・墓地 ・海
●ラヴェル 「夜のガスパール」 ・オンディーヌ ・絞首台 ・スカルボ
チケット
自由席
一般 3000円 学生1500円
※未就学児は入場できません
※学生の方は当日、証明書を携行ください。
発売日
4月3日(土)10:00~
お問い合わせ
おふぃすベガ TEL 0798-53-4556
(平日10:00~18:00)
プロフィール
[caption id="" align="alignnone" width="450"]ピアニスト。京都で育ち、パリとリヨンに学ぶ。
幼少よりバレエとピアノを習い、中学1年生の時に弾いたベートーヴェン「ピアノソナタ第8番」がきっかけでピアノがますます好きになり、その頃から本格的な音楽人生が始まる。
京都市立音楽高校(現・京都市立京都堀川音楽高校)卒業後、18歳でフランスへ渡り、パリ国立高等音楽院、リヨン国立高等音楽院第3課程、パリ・エコール・ノルマル音楽院コンサーティスト課程を卒業、フランス国家コンサーティストディプロムを取得。エピナル国際コンクール(フランス)入賞。フォーラム・ド・ノルマンディーにて現代曲賞等多数受賞。在学中よりパリ、リヨン等フランス各地でコンサート、リサイタルを開催。
2011年に帰国後、第20回ABC新人コンサート最優秀音楽賞受賞。第23回宝塚ベガ音楽コンクール第1位および兵庫県知事賞受賞。 NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」「リサイタル・パッシオ」に出演。 国内外のオーケストラと多数共演。 現代作品の世界・日本初演を複数手掛ける。 現在、同志社女子大学嘱託講師。
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