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  • リサイタルの前に(後編)~篠原美幸(ソプラノ)

  • 2016.5.28 マネジメント

6月2日(木)兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院 小ホール
「篠原美幸ソプラノリサイタル~ここを わすれないで」

公演詳細

レスピーギ作曲「トスカーナ地方の4つの恋歌」について、大阪弁訳の歌詞で解説をこころみた前編につづき、後編です。

こちらは後半の日本歌曲から…

この日が初演☆ 「六月の歌」(谷川俊太郎・詩/前田佳世子・曲)について

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俳優さんのインタビューで、その時々に演じる役柄について、

「今だから演じることが出来る」
「この年になったから出来る役に出会えた」

という言葉をみることがあります。
「他者の人生を演じる」俳優を生業にする人ならではの言葉かもしれません。


 

今回のリサイタルが初演(先に楽譜が出版され、皆さんの前で演奏されるのはこの日が初めてなので「世界初演」!)となる

六月のうた(谷川俊太郎・詩/前田佳世子・曲)

篠原美幸は「今だからこそ歌いたい!」と思える歌だったそうです。

二十歳を振り返る

この詩の主人公「私」は「二十歳」だった自分を振り返っています。
それは5年や10年前のことではなく、おそらく今の「私」はその時から数十年の時を経ているのです。

「いつかはあんなに忘れたかったのに 
今は忘れてしまうことが怖ろしいー
あの日 私は二十歳だった」

と、二十歳のあの日をのことを歌います。

ハタチの自分、辛かった経験を「あのころ一生懸命だったね」「よく頑張ったねワタシ」と愛おしく振り返るのか、それとも…。
谷川俊太郎の端的なことばで綴られた詩は、読む人の内面にストレートに響き、過去から現在、そして未来の自分をとめどなく見つめさせる力があります。

こうした歌を選ぶこと出来るのは、オトナ世代の歌い手のご褒美かもしれません。

この日、後半に取り上げる日本歌曲の作曲者―中田喜直、木下牧子、前田佳世子、小林秀雄は、それぞれに詩と真剣に向き合いメロディを付しました。

「日本語はいいなあ」と思える時間をお過ごしいただけることと思います。
ご来場を心よりお待ちしています。

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