昨日は、ザ・フェニックスホールで「アンドレアス・シュタイアー フォルテピアノ・リサイタル」の大阪公演をお手伝いしてまいりました。いつものアキラさんのコンサートとは全く趣は違うのですが、実は大きな共通点がありました。
昨日、世界的な名手・シュタイアーさんが弾いていたのはヨハン・バプテスト・シュトライヒャー作の1846年製フォルテ・ピアノ。世界的なピアノ修復師、山本宣夫さんが修復されたものでした。
1846年製ということは、昨日演奏された曲を作ったシューマンも、この楽器を弾いたかもしれません!
昨日は、有名な「トロイメライ」も演奏されました。
現在のコンサート用グランドピアノと、当時のフォルテ・ピアノは、材料も造りも大きく異なるので、音色や楽器の鳴り方も、まったく!違います!
当時の楽器で聴く「トロイメライ」は、曲名(夢)のとおり”手を伸ばそうとすると消えてしまいそうな夢”のような儚い美しさが立ち上ってきて、ゾクゾクっといたしました。
これは、現代のピアノで演奏される「トロイメライ」では、なかなか感じられない、ちょっと内緒にしておきたいような美しさでした。
現在のピアノで聴きなれているベートーヴェンやモーツァルトも、彼らが生きていた時代の楽器で聴くと、全く別の曲のように聴こえるかもしれません。
今では、海外でも日本でも、たくさんの演奏者や楽器研究・修復に携わる人が、作曲当時の音を求め研究したり、演奏したりしています。
ということは・・・
21世紀のいま、私たちがアキラさんのコンサートで聴いている音楽は
「作曲当時(今!)の音」ということになりそうです。
たとえば100年後、今のピアノが、想像も出来ないような形になったり音色が変わっていたら、「クインテット」や「マツケンサンバⅡ」も、やっぱり違う音楽に聴こえるかもしれません。
「作曲家のイメージしていた音」に思いを馳せる演奏会でした。
終演後のサイン会では、とてもジェントルマンなシュタイアーさんに多くのお客様から感謝と再来日を願う声が寄せられていました。
東京ではあともう1回、シュタイアーさんの演奏会があります。
11/13トッパンホール 詳細は>>こちら
招聘されたアルケミスタの武田さん、大変お疲れ様でした!