2018年5月5日(土)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
「宮川彬良&アンサンブル・ベガ こどもの日スペシャル」
2006年以来、毎年5月5日「こどもの日」に兵庫県立芸術文化センターで開催されているコンサートが今年も多くの方のご来場のもと終了しました。
まずは、ダイジェストムービーをどうぞ!
主役は「鯉のぼり」
ご来場いただいた皆さまには既にお披露目しましたが、今回の主役はなんといっても…
鯉のぼり!
”こいのぼりの歌”といえば、皆さんはどの歌を思い浮かべられるでしょうか?
♪屋根より高い こいのぼり~
あるいは・・・?
そうです!もう一つある”こいのぼりの歌”が、今回の主役でした。
♪甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり♪
1913年(大正2年)に「尋常小学唱歌 五学年用」に掲載されたこの「鯉のぼり」の歌は、文部省唱歌として歌われてきました。(作詞者不明 作曲 弘田龍太郎)
今回の公演では、アンサンブル・ベガの名物コーナー「音符の国ツアー」を”こどもの日特別編”として、このちょっと難しい歌詞をアキラさんの解説でじっくり読み解きました。
文学的で意味をつかむのがちょっと難しい歌詞も、アキラさんの解説と見事な絵で「な~るほど、そういうことだったのか!」と膝を叩く瞬間です。
さらに特別企画として、この歌の歌詞がちょっとしたお芝居に。
アンサンブル・ベガの何人かのメンバーにも役柄が割り振られました。
登場したのは…
兄弟役のホルン池田重一(”しげちゃん”)、2ndヴァイオリン客演 戸原直さん(”なおちゃん”)、おじいちゃん役にはクラリネット鈴木豊人、そしてお母さん役にチェロ近藤浩志の配役でした。(キャスティングはアキラさん)
今回は、いつもお話しを一手に引き受けるアキラさんはもちろん、メンバーにも「セリフ」が割り当てられていたこともあり、お客様からは「メンバーの皆さんのお声が聴けた!」と喜びのご感想もいただきました。
歌詞を読み解く「解説」にあたたかな「笑い」もたっぷり盛り込んでの”こどもの日特別授業”、また再演が叶いますように!
皆さんの歌声と、劇場の舞台スタッフの皆さんのご協力と
「鯉のぼり」歌詞の中身をしっかり味わったあとは、ご来場のたくさんの皆さんの歌声と、アンサンブル・ベガの伴奏で歌う「鯉のぼり」。
開演直前に「歌のレッスン」も開催され、ウォーミングアップも十分だった皆さんの見事な歌声がホールに響きました。
(歌の指導/リードは、テノール橋本恵史さん。ピアノ前川裕介さん)
アンサンブル・ベガの伴奏は、もちろんアキラさんによる編曲。ピアノと八重奏で、なんともゴージャスな雰囲気でした☆
そして、皆さんが歌われるのと同時に、舞台上にゆったり登場、堂々とあがった「鯉のぼり」。これは、兵庫県立芸術文化センター舞台スタッフの皆さんのお手製でした。
こうして見ると、そんなに大きいとは感じませんが、実は横幅4メートルにもなる鯉のぼりです。歌詞を味わい、皆さんで歌う、その目の前に「歌詞の風景を再現したい」という企画の狙いにこたえてくださったものでした。
登場したのは、ほんのしばらくですが、実は大変に大がかりなセットに綿密な段取りを組んでの本番でした。ありがとうございました!
コンサート前のお楽しみ、楽器体験!
兵庫県立芸術文化センターで12回目となる「こどもの日」のコンサート、普段は本格的なコンサートにまだ入ることが出来ない小さなお子様とそのご家族の皆さんに大好評をいただいています(3才からご入場いただけます)。
開演前の楽器体験「音のどうぶつえん」では、大阪音楽大学管弦打専攻有志の皆さん約40名が、子どもたちに楽器から音が出る楽しさを少しでも味わってもらいたいと大奮闘!
大ホールのホワイエ一杯にひろがる体験ブースで、はじめて触ってみる楽器から少しでも自分で音を出すことができたお子さんたちは、驚くやら、うれしいやら。
そして普段は自身の演奏を磨くことに集中している学生の皆さんも、この日は初めて楽器を手にしたころの自分を思い出す機会となったようでした。
そして写真はありませんが、コンサートを聴くときの「おやくそく」を客席の皆さんに伝えてくれる「カゲナアKIDS」の皆さんが今年も大活躍☆
かわいらしくも頼もしいアナウンスぶりでした!
「こどもの日」、オトナもたっぷり楽しみました!
公演後、大人のお客様からもご感想をたくさんいただきました。
ご自身のお孫さんから親御さんまで、なんと4世代でご一緒にお越しになった方からは、こうしてみんなで出かけることが出来る健康が嬉しいというお声、また『しっかりオトナだけで楽しみました。歌詞の美しい日本語を噛みしめながら、みんなで歌える喜びを体験しました』などなど…。
「鯉のぼり」コーナー以外にも、”動物つながり”の音楽をたっぷり演奏したこの日のプログラムから、チャイコフスキーの「四羽の白鳥」(バレエ『白鳥の湖』から)では、ファゴット星野則雄が大活躍!
オーケストラで演奏される原曲では、ファゴットの「ポッポッポッポ」の伴奏にのって、オーボエが哀愁をおびたメロディを奏でますが、アンサンブル・ベガ版では、なんとファゴットが一人で2役、メロディも伴奏も担当します。
もちろんこの編曲は、アキラさんの手によるもの。ファゴット星野則雄の名演でした!
めくり
”動物”つながりの音楽をお届けしたプログラムのメインは、サン=サーンス作曲の組曲『動物の謝肉祭』 (アンサンブル・ベガ版)。
「アンサンブル・ベガ版」としているのは、原曲はもう少し曲数があるところを、その中から8曲抜粋しているからです。
とても嬉しかったのは、通すと12分ほどになる、まあまあ長いこの曲を、コンサートも終わりに近づいた時間、会場のお子さんたちがグッと集中して聴いてくれたことでした。
特に、チェロ近藤浩志とアキラさんのピアノのデュオ(二重奏)となる「白鳥」は、水面をゆうゆうと泳ぐ白鳥の様子が描かれた静かな曲です。3才からご入場いただける会場の客席が、水を打ったように静まり返っていました。
また来年も、小さなお子様から、オトナの皆様にも楽しみにお越しいただけるコンサートとなりますように、ゴールデンウィークは、全国各地で音楽祭や行楽イベントが目白押しですが、ぜひ兵庫県立芸術文化センターへお運びください!