10月24日~25日の2日間、宮城県石巻市内の小中学校へ、石巻市芸術文化振興財団による,音楽アウトリーチ事業として、マリンバアンサンブルMAR’ま~る’(後藤ゆり子、西尾知子、土方雅子)+ゲストドラマー・神吉信一の4人でお伺いしました。
このメンバーでの石巻市への訪問は一昨年に続き2度目。
前回の公演は、東日本大震災から約半年後のことでした。
今回の訪問では、牡鹿半島にある荻浜中学校、市街地の門脇小学校、蛇田小学校の3校へお伺いしました。
街の風景と公演の様子をご報告します。
◆10月23日(水)荻浜中学校
石巻の中心地から車で30分強、牡鹿半島の海沿いにある荻浜中学校。
本当に海のそばにあり、公演が行われた体育館は、ステージの上まで水が来たそうです。
全校生徒が9人、先生方のほうが多い、大きな家族のような学校でした!
少人数の公演とあり、アットホームに、ほぼマンツーマンでのコンサートとなりました!
公演後、校長室(震災後は教職員の方が寝泊まりされたそうです)で、震災当時の様子を
詳しくお伺いすることが出来ました。
体育館から校庭、海を臨みます。
荻浜中学校のホームページに、この日の様子が写真とともに紹介されています。
◆10月24日(木)午前/門脇小学校
市街地沿岸部にあり、被災し校舎が使用できなくなったため、
現在は門脇中学校に間借りされています。中学校の武道場をお借りしての公演でした。
武道上はとても音が響き、マリンバの音が空間一杯に広がっていました。
体験コーナーでは、希望者が多く、大変な競争率に☆
そして、ボディパーカションのコーナーでは、先生方にも参加して頂きました!
ノリノリの先生方の様子に、子どもさん達も大喜びでした。
公演後に、ある先生から、こんなことをお伺いしました。
「ふだんワァっと笑ったりすることが、なかなか出来ないので、
今日は本当に楽しかった。1曲目のウィリアム・テル序曲が始まったところでジーンとしてしまいました」
音楽でひと時、ホッとする時間をお届けできましたなら幸いです。
門脇小学校のホームページに、この日の様子が写真とともに紹介されています。
◆10月24日(木)午後/蛇田小学校
午後は、3回の公演の中で、もっとも生徒数が多い蛇田小学校へ。
人数が多いため、4-6年生を対象に、体育館での公演です。
ちなみに…マリンバ2台とドラムセット一式は、2台の車に分解して積み込み、
公演の度に、おろしては組み立て、バラしては積み込み…、打楽器奏者は(も!?)体力勝負です!
体育館にぎっしりの子どもさん達、並ぶのも移動するのも静かにキリリと素早く、素晴らしいです!
おとなしく礼儀正しい子どもさん達、という印象を持っていましたら、公演の最後、メンバーの退場時に、予期せぬハプニングが!
ツアー中、各学校で子どもたちからアイドル的人気!?を得ていたゲストドラマー神吉が、なんと子どもたちに囲まれ、壁に張りつき動けなくなる大人気ぶり!
メンバーの思いが、子どもたちに伝わったのでしょうか。うれしいですね!
こうした学校でのコンサートは、子どもさん達の参加と、先生方のご協力により完成します。
3校の先生方、本当にありがとうございました。
公演を終えてホッと一息のメンバー。
また、多くのアウトリーチ事業を実施され、各校の状況を細やかにヒアリングの上、準備を重ねられている
石巻市芸術文化振興財団の職員の皆さんにも、大変お世話になりました。
実は、東日本大震災の前の年の夏、スタッフ1号は、今は解体されてしまった、石巻市民文化センターを
訪問しました(すぐ近くの魚市場でお土産も)。
震災の折、海にほど近いホールのことが真っ先に浮かび、テレビの映像を見ながら、職員の方に最悪の事態も有りうると覚悟しましたが、大津波警報発令で、来館者の方とともにセンター上階へ避難し、そこで3日間を過ごされ、ご無事でした。
震災から2年半がたち、現地の一日一日の様子を知るには、新聞やテレビでは足りなくなっていますが、
前へ進もうとする街の様子と、色々な事情ですぐに進まないことの数々の、ほんの一端を見聞きして、
身近な人にはこれを話さなくては、との思いを強くした旅でした。
*おまけ*
公演翌日、市内が一望できる日和山公園へ。
石巻のお隣、女川町へ。
食堂「ニューこのり」の海鮮丼!