能楽堂でクラシック
新潟での3公演。しめくくりは「アンサンブル・ベガ」による純クラシック曲のみの公演でした。
会場は、先の2回とはガラッと雰囲気がことなる「能楽堂」
(りゅーとぴあには、コンサートホールの他に、演劇のための劇場、そして能楽堂があります!)。
通常は、コンサートが行われる会場ではありませんが、このラ・フォル・ジュルネの期間中は、室内楽の公演が数多く行われていました。
曲目は…
♬ ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番「嵐」
♬ レスピーギ:「日没」*ソプラノ 鈴木愛美
♬ ベートーヴェン:七重奏曲 op.20 より 第一楽章
このうち、レスピーギ「日没」は、はじめて取り組む作品でした。
楽譜には「メゾソプラノと弦楽四重奏のための」とあり、コンサートで取り上げられることも多くないため、メンバーはそれぞれに作品を下調べしてリハーサルを迎えたようです。
タイトルの「IL TRAMONTO」は”日没、たそがれ、夕暮れ時”の意味で、レスピーギがこの曲を作曲した1914年に、第一次世界大戦が勃発しました。
ほの暗い情熱、ほろ苦い甘さを感じる大変ドラマティックな作品です。
楽譜には「メゾソプラノと弦楽四重奏のための」と書かれてあるこの作品ですが、CDではオーケストラ(指揮者あり、弦楽合奏)での演奏もみられ、またコントラバスを加える編成もあり、今回はヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1、コントラバス1の弦楽器5名と鈴木愛美さんの6名で演奏しました。
午前中に「宮川彬良&アンサンブル・ベガ」公演でグリエール「コロラトゥーラソプラノと管弦楽のための協奏曲」を華やかに歌ってくださった鈴木さんは、すぐさま、全く違ったおもむきのこの曲と一体化されていらっしゃいました!
今回の作品「日没」は、編成が特殊であるからか、コンサートに取り上げられる機会が少なくこれまで聴く機会がなかったのですが、レスピーギは大編成の華麗なオーケストラ曲を書く一方、声楽や室内楽作品で、こうして劇的でギュッと濃縮された音楽をつくっていたのだと、今回のラ・フォル・ジュルネにおける新しい出会いの一つとなりました。
メンバーもリハーサル後に「いい曲!」と手ごたえを感じていた様子で、本番も充実した演奏が舞台袖に聴こえていました。
レスピーギの「日没」、コンサートでお聴きになれる機会は少ないかもしれませんが、機会がありましたら、ぜひCDなどでお聴きください。
「嵐」と題される第三楽章は、全員がゴリゴリ弾きまくり、床板から振動が伝わるほど…。
~レポート、残すは「総集・番外編」です~