2017年3月6日(月)ザ・フェニックスホール
「ハラウィ~愛と死の歌」(ピアノ:稲垣聡 メゾ・ソプラノ:林千恵子)
相愛大学特別演奏会助成公演として開催された「ハラウィ~愛と死の歌」の様子をお届けいたします。企画は、同大学音楽学部教授の稲垣聡(ピアノ)。パリに拠点を置くメゾ・ソプラノ、林千恵子を迎えて、20世紀フランスの大作曲家、メシアンの大作「ハラウィ~愛と死の歌」を中心に据えたプログラムです。
今公演の概要はこちら
CHIEKOの無駄口(林千恵子さんのブログ)
1曲目は、稲垣聡のソロによる
R.ワーグナー=F.リスト/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より“イゾルデの愛の死”(ピアノ独奏版)。
この作品をよくご存じの方は、冒頭で「あれっ?」と思われたかもしれません。
リスト編曲によるピアノ独奏版にはない、原曲(オーケストラ)の前奏部分を付け加えて演奏されました。
メゾ・ソプラノ林千恵子を迎えてのフォーレ「イヴの歌」と、休憩をはさんで、メシアン「ハラウィ~愛と死の歌」では、日本語字幕が正面の壁に投影されました。
原詩の香りが、流麗な日本語と絶妙なタイミングで投影される日本語字幕は、ご来場の皆様から、好評を頂きました。訳詞は澤田直氏によるものです。
(字幕操作:まくうち)
フォーレ「イヴの歌」が30分、メシアン「ハラウィ」が60分と、声楽作品としては、大変規模が大きく、どちらも連作で一瞬も気が抜けず、また求められる声や表現も対照的…と、演奏の様子は、ピアノと声で濃密な作品の世界に臨む”鉄人レース”のよう!?
(本当に大変なプログラムを組まれたと思います。その挑戦に大拍手!/スタッフ)。
鉄人レースを走破した二人に、大きな拍手がおくられていました。
バッハから『現代音楽』まで、またダンスや美術など多彩なジャンルとのコラボレイションに、なんと、オペラの演出(アンサンブル・ノマドにおけるG.フリド「アンネの日記」演奏会形式)も手掛ける稲垣聡、次の企画が大変楽しみです。
会場のザ・フェニックスホール情報誌「salon」の偶然にも発行されたばかりの3月号に、ピアノ稲垣聡が寄稿したコラム「私と20世紀の音楽」も、あわせてぜひお読みください。ザ・フェニックスホールWeb上でも、近日中にPDFが掲載されるとのことです。phoenixhall.jp/salon/